4/29AM3:10猫,逝く。9歳。
その体にはまだ温もりが残っている。
彼が好きだった玩具も一緒に入れてあげる。
ここ数日,彼は口元から血を垂らし,小便もトイレで出来ずに漏らし,水を飲むのさえやっとだった。
彼は二度,体をのけぞらせ嘶きをした。
一度目は母が見た。
二度目は私も見た。
きっとそれが最後だった。
小さな亡骸。白い毛皮は所々錆びた鉄色。耳は真っ白。血管の筋は引いた様だ。
彼はやんちゃな猫だった。
悪さをするのは決まって彼だった。
駄菓子の綿パチをパチパチ鳴らせて食べた。そんな猫は今まで飼った事が無かった。
最初の人間が罪を犯し,後の人類に死と病をもたらしたのであれば,
何故,畜生にも動物にも死と病があるのか。
何故,その疑問を解けない。
これからはもう,冷蔵庫にまぐろの切り身は入っていないのだろう。
彼が食べたい時にいつでも食べられる様,毎日買っておいた。
あなたを抱く。
何かを考えているよりは何かを考えさせられている方が多い。その限られた時間の中で老朽してゆく細胞核と一緒に,私にとって特別であり人間として不変的なそれに心を奪われる事は,ようやく,『一つの平安』ではないのか,と,然るべく思える様になった。ここに到るまで,さほど道程は長くはなかったが,時間こそが縛られる無限であったのは確かであった。結論に達するまでの過程と飛躍の違いを知る事が出来ずに,歪曲させた自我。理解してくれているだろうという傲慢な押し付け。コミュニケーション能力の欠如は性質柄という問答無用の言い訳用意。最後までとっておくのは自己防衛本能論。何かが巧妙に混ざり,融解し合い,変形し,増殖し,執念にかられた眼差しまでもを懐に入れておくのはもうやめにしよう。